ケーニヒスティーゲル

出現当時、その強大な攻防力を以って、連合軍戦車を圧倒した「ティーゲル１」は成功作ではあったが、全く避弾径始を持たない防御装甲など、設計的に時代遅れといった感もあった。その後、より軽量でもこれを上回る性能を持った「パンテル」が出現するに至り、その特長を導入した新重戦車の開発が立案され、1942年後期より開発が始められた。主砲には「ティーゲル１」より一段と強力な当時世界最強の71口径88mm砲が選ばれ、全体に「パンテル」同様十分な避弾径始を導入したが、それでもなお車体前面での装甲厚は150mmにも達し、第２次大戦中実戦投入された戦車の中で最強の攻防力を持つに至った。しかしこれほどの重装甲を持つことから重量は実に69tonにも達し、高い接地圧、エンジン出力不足も合まって機動性は「ティーゲル１」と同様かなり低いものとなってしまった。それでも本車は連合軍に与えた精神的効果なども含め、総合的にはなかなか優れた戦車であった。生産は1944年1月より始まったが、時すでに遅く、戦局の悪化で物資が不足し、多くの工場も焼かれ、「キングタイガー」と怖れられた本車も484両が完成されたに過ぎず、また完成しても燃料や乗員の不足で動けなかったものが多かった。画は初期に50両生産されたポルシェ砲塔型であり、その後は本車の生産数の大部分を占める、より生産性の高い前面が角張った砲塔を持つヘンシェル砲塔型が生産された。

要目
製造年	1944
重量	69.7ton
全長	7.26m
全幅	3.76m
全高	3.10m
乗員数	5
最大出力	700馬力
最大速度	41km/h
行動距離	170km
主砲	88mm 71口径
機関銃	7.92mm×2

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