平成２２年度 富士総合火力演習 その２（後段演習）
OH-1観測ヘリコプター。観測ヘリコプターに種別されるが、敵情報を味方に的確に伝えるため、座席部分の装甲、操縦系の二重化を施し、短射程空対空ミサイル4機を搭載でき、高い生存性を備える。双発のエンジンの高出力により、垂直上昇や宙返り等のアクロバティックな高機動も誇る。アメリカのヘリコプターの権威「ハワード・ヒューズ賞」をアメリカ以外で初受賞している。
UH-1多用途ヘリコプター。旧西側圏で一万機以上が生産された汎用ヘリコプターである。ベトナム戦争などで特に活用され、当時を表した映画では象徴的な存在にさえなっている。
UH-1ヘリコプターから降車して展開するオートバイ偵察隊
左からヘリボン行動中のUH-47J、UH-60J、そして奥には2機のAH-64Dと、3種のヘリコプターを写した。UH-60（UH-60J）はUH-1の後掲の多用途ヘリコプターであるが、日本では3自衛隊ともに装備されている。陸上型ではヘルファイア対戦車ミサイルを搭載でき、吊下げでは約4tonのペイロードを搬送することができるなど多様な活動ができる。
CH-47Jヘリコプターが軽装甲機動車（約4.5ton）を吊下げ搬送し、降ろして展開しているところ。バランス、干渉の問題がなければ2両同時搬送もできるはずである。
上部ハッチを開けて乗員が警戒態勢を取りながら隊列を組んでいる軽装甲機動車。陸上自衛隊での象徴的存在になりつつあるが、海外派遣での航空自衛隊の約100両を合わせると既に1,500両以上が装備化されている。最大乗員5名、ディーゼル160馬力で路上最高速度約100km/h、行動距離約500km。
軽装甲機動車と、CH-47Jヘリコプターから降車する高機動車。全乗員が乗ったままで、格納庫の出口に当らないように頭を低く下げている。
警戒態勢を取って展開する高機動車。高機動車は既に3,000両が生産され、最大10名の乗員を乗せることができ、火砲の牽引等多用途に使われている。
連続で高くジャンプするオートバイ部隊。車両は一般市販車を自衛隊色に塗装したものである。
25mm機関砲を射撃する87式偵察警戒車。25mm機関砲と同軸に7.62mm機関銃も備える。乗員5名、約15ton。
74式の発砲砲焔を写したところ。74式戦車は既に退役が進んでおり、今年度の10式戦車の正式化により一層旧式化、退役が進み、やや寂しい感がある。
一斉射撃する74式戦車小隊。退役が進み、旧式化しているが、主砲弾の改良などが行われていて、未だ、一線の戦力であるとも言える。長い海岸線を有する我が国の戦車では、質が重要である一方、数も重要と思われ、74式戦車のレトロフィット等延命対応も望みたいところである。
92式地雷原処理車から発射される地雷原処理ロケット弾。右のようにロケット弾から26個の数珠つなぎになった爆索ワイヤがパラシュートで引き出され、地雷原上に直線一列に落下し、地雷を爆破処理する。有効処理範囲は長さ200m×幅5mとされる。
着地後、爆発する92式地雷原処理ロケット弾の爆索。26個であるが、デモの都合から、そのうち2個だけが実爆薬となっている。
4両小隊で突入して来る90式戦車。ここでも例年の行進間側方射撃は行われなかった。右には既に74式戦車群が布陣している。
上の写真から、一斉回頭して、74式戦車群と合流する90式戦車小隊。
射撃を行う90式戦車（上写真と下写真は数分の１秒おいての撮影）
射撃後、陣地転換を開始した90式戦車。敵方に主砲を指向して反撃に備える形である。大きな砲塔を側方に向けての姿は非常に迫力がある。
陣地転換後、再射撃を行った90式戦車
戦車とともに、35mm機関砲で射撃を行う89式装甲戦闘車群
車両の射撃後に制圧支援に向かうために待機中のヘリコプター群。UH-1（ヒューイ）、UH-60J（ブラックホーク）、OH-1（ニンジャ）、AH-1S（コブラ）、AH-64D（ロングボウ・アパッチ）と勢揃いである。大画面ディスプレイには120mm迫撃砲に投弾する兵員が映っている。
さらに新たな90式戦車小隊が突入して来る。縦列から左に回頭を始めたところ。
上の90式戦車小隊が射撃を行う。発射された弾体の軌跡が右の戦車の上に曳光として写っている。
再び陣地転換を行う90式戦車や他の車両。砲塔上の旗は緑色になり、射撃準備は解除している。
全車両の発煙弾を発射して前方に煙幕を展張。この後、ヘリコプター航空部隊とともに制圧しつつある敵へ総攻撃、というところでデモは終了する。ここまでの飛び交う伝令の放送が迫力を添えていた。この終了の光景は長く総火演の恒例である。
敵制圧に向かうヘリコプター部隊。尚、地上部隊はここまででデモを終了し、進撃デモは行わない。
デモが終了して、一部退場を始める90式戦車
