平成２５年度 富士総合火力演習 その１（前段演習）
演習開始前のスタンド席後。スタンド席の後下には様々な売店が並ぶ。
会場に向かってもっとも左翼の演習指揮所。その奥にはVIP席やプレスエリアがある。
会場に入ってきた203mm自走榴弾砲。アメリカのM110榴弾砲をライセンス生産したもので、自衛隊最大口径の火砲である。下は随伴する87式砲側弾薬車。
99式自走155mm榴弾砲。52口径の長砲身榴弾砲を積む。射程は通常弾で約30km、長射程弾使用で約40kmにおよぶ。車重約40ton。
99式自走155mm榴弾砲の側方射撃
FH-70 155mm榴弾砲の射撃
多数の砲からの、1/100秒単位で正確に同期された曳火射撃により、空中に横一直線を描き出す非常に難度の高いデモ。
上掲の横一直線をさらにすすめ、21門の火砲、弾薬の調整により、今度は空中に富士山の形をきれいに描き出した。
99式自走155mm榴弾砲。
120mm迫撃砲RT
120mm迫撃砲RTの射撃。砲口部に発射された弾体が写っている。最大射程は通常弾で約8,100m、ロケット補助推進弾で約13,000mと榴弾砲に迫る長射程である。
総火演初出場の中距離多目的誘導弾の射撃。誘導は赤外画像およびセミアクティブレーザーホーミングにより、最終照準は赤外画像またはミリ波レーダーで撃ち放しできる。高機動車と一体化したシステムとなっている。ミサイル弾体質量約26kg、全長約1.4m。
指向性散弾のデモ。上の風船が下では散弾で破裂している。指向性散弾はスウェーデンの対戦車用FFV013をライセンス生産したものであるが、地上配置の手動作動式であることで、対人地雷の代替としても使われている。
CH-47Jヘリコプター。最大離陸重量は22.7tonにもおよび、計10ton程度の車両、荷物、あるいは30名程度の兵員を輸送できる。
任務を終えて戻ってくる隊員と、帰還時、隊員が下がったままのワイヤにぶら下がっているところ。
軽装甲機動車の上面から兵員が手持ちで発射する01式軽対戦車誘導弾。赤外線画像誘導式で撃ち放し能力（命中まで誘導し続ける必要がない）を有する。平成22年度までに1,000セット以上が配備されている。
2射続けて500m先の人影が映る窓を見事に撃ち破った（下）対人狙撃銃の実演。対人狙撃銃は米軍のM24
SWS（Sniper Weapon System）を導入したもの。
前方の標的に12.7mm機関銃を発射する96式装輪装甲車
早朝は雲がかかっていなかった富士山も、前段演習が始まって10時も過ぎると雲が出てくる。しかし天候には恵まれた。
普通科の主に小銃、機関銃による総攻撃
06式小銃てき弾の展示。89式5.56mm小銃または64式7.62mm小銃の銃口に装着して発射する22mmてき弾。射程は200〜400mとされる。
左は84mm無反動砲。スゥェーデンの「カールグスタフ」のライセンス生産品。対戦車弾頭では400〜500mm厚の圧延鋼板貫徹力を有する。有効射程は約700m。右は110mm個人携帯対戦車弾。ドイツの「パンツァーファウスト3」のライセンス生産品。700mm以上厚の圧延鋼板貫徹力を有するとされる。有効射程は約400m。
対戦車弾の命中、爆発
突入してきた89式装甲戦闘車。戦車のような油気圧懸架ではないが、トーションバーでも中々の旋回走行性を見せてくれる。
89式装甲戦闘車の35mm機関砲の射撃。左に曳光が写っている。90口径と長砲身で高初速のため、中口径砲ではあるが徹甲弾の威力は大きい。
戦闘ヘリコプターAH-64Dアパッチ・ロングボウの30mmチェーンガンの射撃。主ローター軸上にロングボウ火器管制ミリ波レーダーを備え、多数の敵脅威を検知し、対戦車ミサイル等で最適な攻撃を指示できる。空対空ミサイル等も備えた総合戦闘能力を有することから戦闘ヘリコプターと類別された。
観測用ヘリコプタOH-1。全重約4.0t、最高速度約278km/h、実用上昇限度約4880m。
奥と手前に87式自走高射機関砲が見える
87式自走高射機関砲の水平射撃。89式装甲戦闘車の35mm砲とほぼ同じ仕様で、徹甲弾も備えており、その威力は大きい。
突入してくる74式戦車（上）と、戦艦の印象さえ与える迫力の90式戦車小隊（下）
90式戦車の発砲。左上に弾体が写っている
スラローム走行中の10式戦車。激しく旋回機動する間に射撃を行った。
上空約3000mのCH-47Jヘリコプターから降下してきた落下傘隊員
見事に着地した落下傘隊員。拍手が湧き起った
